PGT-Aで正常胚が0個だったらどうなる?その後の治療や選択肢について
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)をご検討されている方から、
「もし正常胚が1つもなかったらどうなるのでしょうか?」
「移植できる胚がなくなってしまうのでしょうか?」など
このようなご質問をいただくことがあります。
PGT-Aは、移植前に胚の染色体の状態を確認する検査であり、着床率の向上や流産率の低下が期待できる検査です。一方で、検査を受けた結果、正常胚が確認できないケースもあります。
そのため、「正常胚が0個だったらどうしよう」と不安を感じられる方も少なくありません。
しかし、正常胚が0個だったとしても、それだけで治療が終了するわけではありません。
今回は、PGT-Aで正常胚が0個だった場合に考えられる理由や、その後の治療の進め方についてご紹介します。
PGT-Aとは?
PGT-Aとは、胚盤胞まで育った受精卵の一部の細胞を採取し、染色体の数に異常がないかを調べる検査です。
移植前の段階で異常胚を特定することが可能となるため、移植の成功率を高めることに繋がります。
検査結果は、大きく次の3つに分類されます。
- 正常胚
- モザイク胚
- 異常胚
こうした事前に判定することのメリットがある反面、事前に異常胚の判定がされることで、移植に使用できる胚の数が減ることにも繋がるのも事実です。
PGT-Aは任意で受けていただく追加検査ですが、検査を受けることで移植できる胚の数が少なくなる場合があることも、あらかじめ知っておいていただきたいポイントです。
正常胚が0個になることはあるのでしょうか?
PGT-Aを受けたからといって、必ず正常胚が得られるわけではありません。
当院で卵子提供ドナーの胚に対して行ったPGT-A検査では、判定結果の割合は次のようになっています。
- 正常胚:約5割
- 異常胚:約3割
- モザイク胚:約2割
胚盤胞まで順調に育った胚であっても、見た目や発育の状態だけでは染色体の数が正常かどうかを判断することはできません。複数の胚盤胞を検査した場合でも、結果の組み合わせはお一人おひとり異なり、正常胚が複数確認されることもあれば、すべてがモザイク胚または異常胚と判定され、正常胚が0個となることもあります。
そのため、胚盤胞まで育ったとしても、PGT-Aの結果、正常胚が確認できないケースがあります。
ただし、正常胚が0個だった場合の対応は、モザイク胚の有無などによっても異なります。次の項目では、その後に考えられる選択肢についてご紹介します。
正常胚が0個だったら移植はできないのでしょうか?
正常胚が0個だった場合でも、状況によって治療の選択肢は異なります。
モザイク胚がある場合
PGT-Aでは、「正常」「異常」のほかに、「モザイク胚」と判定されることがあります。
モザイク胚とは、正常な染色体を持つ細胞と、染色体に異常のある細胞が混在している胚のことです。
PGT-Aでは、将来胎盤になる部分(栄養外胚葉)の細胞を一部採取して検査を行います。そのため、検査結果は胚全体を調べているわけではなく、採取した細胞の状態をもとに判定されます。採取した細胞が偶然染色体異常を含んでいた場合などもあるため、モザイク胚と判定されたからといって、必ずしも移植に適さないというわけではありません。
当院では、正常胚がある場合は正常胚を優先して移植することを基本方針としています。
一方で、モザイク胚については、染色体異常を持つ細胞の割合などを総合的に評価し、移植をおすすめできるかどうかを医師が慎重に判断しています。
これまでの研究では、異常率が50%以下のモザイク胚では、妊娠率は正常胚と比べても低くないと報告されています。
一方で、異常率が70%以上の場合には、着床しない可能性や流産のリスクが高くなることから、当院では基本的に移植をおすすめしていません。
そのため、モザイク胚と判定された場合には、検査結果の数値や胚の状態などを踏まえ、一つひとつのケースについて医師より詳しくご説明し、移植をおすすめするかどうかを判断しています。
つまり、「正常胚が0個」という結果であっても、直ちに移植できる胚がないというわけではありません。
モザイク胚の判定内容によっては、移植という選択肢を検討できる場合もあります。
正常胚が得られなかった場合の次の選択肢
PGT-Aの結果、正常胚や移植可能な胚が得られなかった場合には、再度採卵を行うという選択肢があります。
「正常胚が0個だったら、また最初から治療をやり直さなければならないのでは」と不安に感じられる方もいらっしゃいますが、当院では、そのようなケースにも対応できるよう再採卵に関する保証制度をご用意しています。
例えば、採卵数が6個以上あり、受精・培養を経て胚盤胞まで育ったものの、PGT-Aで正常胚が確認できなかった場合には、通常よりも費用負担を抑えて再採卵を受けられる制度を設けています。
これは、予期せぬ結果となった場合でも、できるだけ安心して次の治療へ進んでいただけるようにするための制度です。
また、再採卵を行う際には、同じドナーで再度採卵を行うか、新しいドナーへ変更するかも重要なポイントとなります。
同じドナーでの再採卵は、医師が医学的に適切と判断し、さらにドナー本人の同意が得られた場合に選択することができます。一方で、新しいドナーへの変更をご希望される場合は、別のドナーとのマッチングを行い、治療を進めていきます。どちらが適しているかは、採卵結果やドナーの状況、ご本人のご希望などを総合的に考慮し、医師とご相談のうえ決定いたします。
なお、台湾の規定により、異なる2人のドナーの受精卵や卵子を同時に保管することはできません。そのため、ドナーを変更する場合には、現在の治療状況も踏まえながら、適切な方法をご案内させていただきます。
当院のドナー選定基準について
当院では、少しでも良い状態の卵子をご提供できるよう、台湾の制度で認められている年齢基準よりも厳しい独自の基準を設けています。
ドナーは原則30歳以下とし、
- 卵巣機能
- 染色体検査
- 感染症検査
- 遺伝性疾患の確認
- AMH測定
- 家族歴の確認
など、さまざまな検査や確認を行ったうえで、基準を満たした方のみをドナーとして登録しています。
一方で、どれだけ厳格な基準でドナーを選定していても、PGT-Aで必ず正常胚が得られることを保証することはできません。
そのため当院では、事前に十分な検査を行うだけでなく、万が一正常胚が得られなかった場合にも、安心して次の治療へ進んでいただけるよう、治療体制の整備にも取り組んでいます。
まとめ
PGT-Aは、移植前に胚の染色体の状態を確認できる検査ですが、検査を受けたからといって必ず正常胚が得られるわけではありません。胚盤胞まで育ったとしても、検査の結果、正常胚が0個となるケースもあります。
しかし、正常胚が確認できなかった場合でも、モザイク胚の判定内容によっては移植を検討できる可能性があります。また、移植可能な胚が得られなかった場合には、再採卵という選択肢もあり、当院では費用面の負担を軽減する保証制度をご用意しています。
さらに、当院では30歳以下のドナーを採用するなど、正常胚が得られる可能性を考慮したドナー選定にも取り組んでいます。
PGT-Aの結果は、一人ひとり異なります。
「正常胚が0個だったらどうしよう」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、その結果だけで治療が終わるわけではありません。
当院では、検査結果をもとにその後の治療方針を医師が丁寧にご説明し、お一人おひとりの状況に合わせた治療をご提案しています。
PGT-Aや卵子提供についてご不安な点がございましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
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当院としては、不妊で悩まれる方にはまず正しい知識を得ていただき、今後のご判断をいただけたらと考えています。
院長の陳が、台湾の卵子提供や着床前診断等の仕組みのご説明、そして当院のご紹介をさせていただいております。
また、日本語通訳の橋本、新保が治療の流れや費用面などについてもご説明させていただいております。
40分程度の動画をご用意していますので、申請いただけましたら、当院にて確認後、動画のパスワードをお送りいたします。

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