卵子提供の成功率はどう見る?妊娠率・累積妊娠率・出産率の違いを解説
卵子提供をご検討されている方から、
「卵子提供の成功率はどれくらいですか?」「妊娠率は高いのでしょうか?」
といったご質問をいただくことがあります。
インターネットで調べると、「妊娠率〇%」「成功率〇%」という数字を目にする機会も多いかと思います。
しかし、実はこの「成功率」という言葉には明確な定義がなく、医療機関や統計資料によって示している内容が異なる場合があります。
例えば、「移植1回あたりの妊娠率」を指している場合もあれば、「累積妊娠率」や「出産率」を示している場合もあります。
そのため、数字だけを比較してしまうと、本来の意味とは異なる受け取り方をしてしまうことも少なくありません。
今回は、卵子提供の成功率を見る際に知っておきたい「妊娠率」と「累積妊娠率」の違いや、数字を見る際のポイントについてご紹介します。
卵子提供の成功率を示す3つの指標
「成功率」と一言で言っても、実際にはさまざまな指標があります。
代表的なものとして挙げられるのは、次の3つです。
移植1回あたりの妊娠率
移植1回あたりの妊娠率とは、行われた胚移植の回数に対して、妊娠が成立した割合を示すものです。
例えば、100回の胚移植を行い、そのうち50回で妊娠が確認された場合、移植1回あたりの妊娠率は50%となります。
この数字は、「1回の移植によって妊娠する可能性」を考える際の参考になります。
ただし、一度目の移植で妊娠に至らなかった場合でも、凍結保存している胚を用いて二度目以降の移植を行い、妊娠に至る方もいらっしゃいます。
そのため、移植1回あたりの妊娠率だけでは、治療を受けた方が最終的に妊娠できた割合までは分かりません。
累積妊娠率
累積妊娠率とは、1回の移植結果だけではなく、複数回の移植を含めて、治療を受けた方が最終的に妊娠に至った割合を示す指標です。
卵子提供では、ドナーから提供された卵子を受精させ、培養後に複数の胚盤胞が得られることがあります。
1回目の移植で妊娠に至らなかった場合でも、凍結保存している別の胚盤胞を使用して、改めて移植を行うことができます。
そのため、1人の方が一度の移植だけで治療を終えるとは限りません。
移植1回あたりの妊娠率が「一度の移植で妊娠した割合」を示すのに対し、累積妊娠率は「複数回の移植も含め、治療を通して妊娠に至った方の割合」を示します
卵子提供の治療実績を見る際には、この2つを分けて考えることが重要です。
出産率
妊娠が成立した後、無事に出産まで至った割合です。
妊娠率と出産率は同じ意味ではありません。
妊娠成立後には、胎嚢確認や心拍確認を経て出産へと進みますので、それぞれ別の指標として考える必要があります。
なぜ「累積妊娠率」が大切なのでしょうか?
卵子提供では、1回の採卵で複数の胚盤胞が得られることがあります。
例えば、複数の良好な胚盤胞ができた場合、1回目の移植で妊娠に至らなくても、凍結保存している別の胚を用いて2回目、3回目の移植を行うことができます。
つまり、「1回目の移植では妊娠しなかった」=「治療が終了した」
というわけではありません。
そのため、卵子提供では「移植1回あたりの妊娠率」だけでなく、「最終的に妊娠できた割合」を示す累積妊娠率も重要な指標となります。
実際に治療をご検討される際には、一度の移植だけではなく、その後の治療も含めた全体像を知ることが大切です。
数字を見るときに気を付けたいポイント
妊娠率を比較する際には、数字の大きさだけを見るのではなく、「どのような条件で集計された数値なのか」を確認することが重要です。
例えば、
・移植1回あたりの数字なのか
・累積妊娠率なのか
・どのような患者様を対象に集計したものなのか
・いつのデータなのか
といった条件によって、同じ「成功率」という表現でも意味が大きく異なります。
異なる条件で集計された数字を単純に比較することはできません。
数字だけを見て判断するのではなく、その背景もあわせて確認することが大切です。
大新生殖医療センターにおける日本のお客様の妊娠率
大新生殖医療センターでは、本格的に日本からのお客様の受け入れを開始した2018年から、2026年2月までに当院で卵子提供の治療を受けられた日本のお客様について、独自に数値を集計しています。
・移植1回あたりの妊娠率:64.8%
・累積妊娠率:86.8%
この累積妊娠率には現在も治療を続けているお客様も含んでいますので、
最終的にはこの86.8%という数値よりもさらに高くなることを想定しています。
当院では、ドナーの年齢を原則30歳以下とし、卵巣機能や感染症、遺伝性疾患、染色体などについて複数の検査を実施したうえで、院内の基準を満たした方のみを卵子ドナーとして登録しています。
また、採卵後の受精・培養から胚移植まで、さまざまな状態に合わせて治療計画を立てています。
こうしたドナーの登録基準や治療体制、培養環境など、複数の要素が治療結果に関係していると考えられます。
まとめ
卵子提供の成功率を見る際には、「移植1回あたりの妊娠率」と「累積妊娠率」の違いを理解することが大切です。
1回の移植結果だけでは分からないことも多く、複数回の移植を含めた累積妊娠率を見ることで、治療全体のイメージを持ちやすくなります。
また、妊娠率には子宮環境や胚の状態、PGT-Aの有無など、さまざまな要因が影響します。
そのため、数字だけで判断するのではなく、その数値がどのような条件で集計されたものなのかを理解したうえで参考にすることが重要です。
当院では、お一人おひとりのお身体の状態やご希望に合わせて、最適な治療をご提案しております。
卵子提供についてご不明な点やご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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