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PGT-M:単一遺伝子疾患に対する着床前診断

2024年11月2日
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PGT-M:単一遺伝子疾患に対する着床前診断

着床前診断PGT-Mをお考えの方へ

着床前診断の一種であるPGT-Mは、特定の遺伝性疾患を持つリスクを避けるために、体外受精(IVF)で得られた胚の遺伝子検査を行う技術です。この検査は、両親が特定の遺伝性疾患の保因者である場合や、家族歴からその疾患が引き継がれる可能性があると考えられる場合に実施されます。
これにより、家族性の遺伝病を持つリスクを大幅に減少させることが可能となります。



PGT-Mにより早期発見できる代表的な疾患

※最終的には当院を通した検査機関との個別の確認が必要です。

1. 遺伝性の神経・筋疾患
ハンチントン病、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、フリードライヒ失調症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)

2. 遺伝性の代謝疾患
フェニルケトン尿症(PKU)、ガラクトース血症、グリコーゲン貯蔵病、ゴーシェ病、タイサックス病、ファブリー病、メープルシロップ尿症

3. 血液疾患
鎌状赤血球症、サラセミア(αおよびβサラセミア)、血友病(A型およびB型)、ファンコニ貧血、無ガンマグロブリン血症

4. 遺伝性の内分泌疾患
先天性副腎過形成、多発性内分泌腫瘍症

5. 皮膚疾患
色素性乾皮症、表皮水疱症、乾癬症候群

6. 眼疾患
網膜色素変性症、先天性白内障、Stargardt病

7. 骨格異常
骨形成不全症、軟骨無形成症、マルファン症候群

8. 免疫不全症
重症複合免疫不全症(SCID)、Wiskott-Aldrich症候群

9. その他の遺伝性疾患
嚢胞性線維症、神経線維腫症(1型および2型)、レット症候群、アルポート症候群、ヌーナン症候群





台湾への渡航3回の実施内容

移植までに通常3回来院いただくこととなり、それぞれでの実施事項をご説明します。

1回目来院:ご夫婦揃っての来院 <所要時間:3時間程度>

午前、または午後の3時間程度で以下の項目を実施します。
・初診
・必要書類の記入
・ご夫婦の採血
・精液採取
採取した血液をPGT-Mの検査機関に移送し、検査対象となる遺伝性疾患とお客様に向けて、
カスタマイズした検査用のプローブを作成します。
なお、プローブ作成のため1回目と2回目の来院の間には1〜2ヶ月程度の期間を要します。


2回目来院(採卵周期):奥様のみ <台湾滞在日数:10日〜2週間程度>

プローブの作成が完了しましたら当院からご連絡させていただき、その後の生理開始後にお越しいただき、採卵周期へと入ります。
なお、事前に生理開始日の想定を立てていただきながら、生理開始2日目もしくは3日目に合わせて来院いただきます。
具体的な流れは以下のリンク【治療の流れ】の「ご自身の卵子を使用」の箇所をご覧ください。

治療の流れ


3回目来院(移植周期):奥様のみ <台湾滞在日数:2〜3日>

確実な移植を行うため、移植日の前日までに台湾に到着いただくことが必要です。
移植日には10時頃に来院いただき、休憩も含めて14時頃の終了見込みとなります。
移植当日の流れは以下のリンク【移植日当日の流れ】からもご覧いただけます。

移植日当日の流れ



1回目の来院までの流れ

Step 1)遺伝性疾患の診断書のご提供
最初のステップとして、ご希望の遺伝性疾患に対して検査が可能であるかの確認を当院で行います。
PGT-M検査機関との確認にあたり、遺伝性疾患があることの証明が求められており、
日本の医療機関から発行された診断書のご提供が必要となります。
なお日本語の診断書のご提出で可能で、PDFスキャンをいただき、データでのご提供で問題ありません。


Step 2)当院指定の基礎評価シートへのご入力
現在のお身体の状況と、これまでの検査内容を当院で把握できるようにするため、
全てのお客様には、当院指定の基礎評価シートにご入力いただいております。
当院の医師と確認の上、事前に必要となる検査内容をお伝えいたします。
※卵子提供についての記載がありますが、その箇所のご対応は不要です。

基礎評価シート


Step 3)事前検査、バックアップクリニックの確保
事前に日本で必要となる検査内容がある場合、基礎評価シートの入力内容を踏まえて指示させていただきますので、必要となる検査をあらかじめ受けていただきます。
また、当院での移植後にサポートいただけるよう、海外での移植に対してサポートをしていただけるか、お住まい近くの不妊治療クリニックにご相談いただき、バックアップクリニックとして確保しておくと安心です。
※バックアップクリニックというのは、日本で移植前、移植後にサポートしてもらえるクリニックを指します。


Step 4)お申し込みフォーム、1回目来院予約フォームへの入力
以下のフォームへのご入力をお願いいたします。
PGT-Mを受けられる場合は公証役場での手続きは不要ですが、台湾の平日で初診をしていますので原則平日をお選びください。

お申し込みフォーム

1回目来院予約フォーム


Step 5)必要書類の準備

台湾での体外受精を受けるには、ご夫婦であることを証明する書類が必要です。
流れとしては、まず戸籍謄本を取得いただきます。
その戸籍謄本を台北経済文化代表処という、日本での台湾大使館に相当する機関に持参し、認証を受けていただき、それを当院にお越しいただく際にお持ちいただきます。
詳しい流れについては以下の【日本での手続き】のリンクからご確認ください。

日本での手続き


Step 6. ご家族の口腔粘膜を採取し、1回目来院時に持ち込み

来院の際には、両親・兄弟から綿棒で口腔粘膜を採取いただき、ご持参いただきます。
より多くの検体の情報があることで、PGT-Mの結果をより正確に出すことが可能となります。
※両親と兄弟から口腔粘膜が取れない場合、検査胚が4個以上となることが必須となります。
粘膜採取の方法等は個別にご説明させていただきます。

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